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虚を衝く天才 ぬらりひょん


「グレイ型…」

と、オカルト好きな人はうっかり呟きそうなほど、

人間というよりは宇宙人のそれに容姿がそっくりな妖怪、ぬらりひょん。

我らが妖怪の総大将だ。

”家人が忙しくて目を離したすきに居間に上がりこみ、我が物顔で茶をすする妖怪”と言われる。

いや迷惑だけど…彼の何が総大将になるほどすごいのか。

大きな被害をもたらすわけではない、やることといえば通報ギリギリのお茶すすり攻撃。。

被害といえば、見ず知らずの老人が飲んだ湯のみを洗わなければいけない程度…豆腐小僧に及ぶくらいの人畜無害感がすごい。

いや、

彼のゾワっとするところはその「虚を衝く」部分だ。

生活していても、物音には気付くし、ある程度周りへの意識も全くなくなることはない、のに。

いつ家に上がったのかわからない。

そして、いついなくなったのかわからない。

まるで今まで自分が過ごしていた時間そのものにぽっかりと穴が空いていて、そこから自由に出入りされたような、空恐ろしさ。

胸騒ぎがする、自分が立っていることすら不安になる気持ち。

そんなことを考えると、ややこじつけ的な(私にとっては理想的な)考えが出てきてしまう。

宇宙人に会った人は、会っている間の記憶を消去されるというが、もしかして、ぬらりひょんがグレイ型なのは、まさに、なのではないか…

ぬらりひょんに会い、招き、お茶を出したのは自分なのに、その経緯を記憶から消去されただけじゃないのか…

UFOとか騒ぐ何百年も前に、ご本人登場してんじゃないの…?

という、簡易版「ぬらりひょん宇宙人説」の出来上がりである。

しかしながら、茶をすするとかいう設定は、どうやら近代的な後付けに近いらしい。

実際の資料にはぬらりひょんについて詳しく書いているものはなく、いまいちこれといった位置付けをされているわけではない。

それだけの情報の少なさにも関わらず、我々の気付かぬところで、ついに妖怪達のトップにまでなってしまった。

やはり「ひょん」なところから現れる妖怪、というのは間違いのだろうな。

お後がよろしいようで。。

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