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その子はどこに 隠し神(かくしがみ)
- magazine-yokai
- 2018年3月30日
- 読了時間: 1分

人間は完全ではないものだから、油断することはある。
もはや意識しなくてもできたこと、わかっていること。それら全てを網羅しできているつもりでも、
ふとぽっかりと、忘れ物をする。
そんな時はだいたい、その直前の記憶は鮮明で、
そこからある時間だけ記憶を喪失した感覚に襲われる。
自分自身がどう行動したのかすら思い出せないのだ。
妖怪・隠し神。
夕方ごろに現れ、子供をさらっていってしまう。
遅くまで遊んでいる子供、誰かの目から離れ一人で遊んでいる子供…。
彼らに声をかけ、手をひき、どこかへ連れ去ってしまう。
隠し神という名以外でも、全国各地に子を攫う妖怪や迷信の類はあちこちに存在する。
親が常に子供の行動を監視し続けることはきっと不可能だ。
そして子供もまた、親がきちんと近くにいてくれているか、
常に把握して遊ぶことも不可能だ。
親子はお互いの存在を感じながら過ごしているが、
それこそぽっかりと、お互いの意識が離れることがある。
そんな時が、隠し神に狙われるのだろう。
意識と意識の隙間を抜い、彼らは現れ、子供を連れて行ってしまう。
その子はどこへいくのだろう。
殺され食べられてしまうのか。
妖怪の子として育てられるのだろうか。
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