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二体一対の禁忌 おしら様


ある悲恋の話である。

岩手県は遠野市。今は昔、とある農家の娘がいた。

その家には農耕馬として大切に馬が一頭飼われていた。

娘は馬を大そう可愛がり、仲睦まじく暮らしていたが、次第に人間と馬という境も超え、

娘と馬は愛し合い、ついに娘は夫婦となることを誓うことになる。

そのことを知った父親はひどく怒り、すぐさま馬の首を切り落としてしまった。

娘が泣いてその首にすがると、その首は動き出し、娘とともに空高く何処かへ飛び去ってしまったという。

その後、娘と馬は「おしら様」と呼ばれる神様となった。

姿を消した娘は両親の枕元に立ち、養蚕の方法を伝えたのだという。。

おしら様は現在でも家の神、農業の神、馬の神、蚕の神として信仰があるが、

信仰の仕方を間違えると大病にかかり、恐ろしい祟りにあう。

動物の肉や卵を嫌うといい、間違えて備えると顔が曲がってしまうという。

また、一度拝むとそれ以降もずっと拝まなければならない。

拝むのをやめたり、祀り方を間違えたり粗末に扱うと、家族に祟りがあると言われている。

おしら様のご神体は人型の男や女、馬と女、の組み合わせでに二体一対で祀られる。

ご神体は2種類あり、貫頭衣という服を着ているものと、頭からすっぽりと顔を布で覆っている形とがある。

遠野市にある「伝承園」では祀られたおしら様を見ることができるが、

部屋中に多数のご神体がずらっと祀られているその様は、今にもそれぞれがざわめきだすような、背筋が冷たくなるほど、圧巻の景色である。

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