

悪戯な灯り 送り提灯
東京都墨田区に伝わる怪奇談、「本所七不思議」。 その一つにある「送り提灯」という怪異がある。 夜の道を提灯を持たずに歩く者の前に、ふと提灯のように揺れる灯りが現れる。 目当てに近づこうとすると、また不意に灯りが消える。 やがてまた灯りがつき、また近づくと消え、繰り返し繰り返...


ケダモノ 玃猿(かくえん)
猿の寿命は一般的に15年~20年ほどという。 では1300年生き続けた猿はどうなるか、あなたはご存知か。 中国の伝説上の生物、玃猿(かくえん)。 その名は「老いた猿」という意味であり、色は青黒く、人や物をよくさらうという。...


どうか今日もご無事で 磯撫で(いそなで)
異常気象や天変地異、不慮の事故。 それが海に息づく生き物となった 「磯撫で(いそなで)」という怪魚がいる。 サメによく似ており、尾びれには細かい針がおろし金のように無数にあるという。 北風が強く吹くと現れ、磯撫での近くを通りかかる船を襲う。...


絞める ろくろ首
妖怪・ろくろ首。 ろくろ首には2種類いる。 ⑴首が抜けるろくろ首 ⑵首が伸びるろくろ首 ⑴の抜けるタイプは、「飛頭蛮」でも紹介した通り、頭だけが体から抜けて飛び回る類だ。 ”離魂病”ともいわれ、魂が肉体から抜け出たものであるという。...


背後に立つ名残 後神(うしろがみ)
言葉を変えると、 罪悪感、後ろめたさ、心残り。 人々の勇気を阻むもの。 人が何かを行おうとして躊躇している時には「やれ、やれ」とそそのかして、 いざ行動に出ようとすると後ろに回って後ろ髪をひき、恐怖心や心残りを誘うものである。 妖怪・後神。 臆病神の一種と言われている。...


全身鏡持ってこい べか太郎
あっかんべーをしている。 ベーっとするために存在している。 江戸時代に描かれた絵巻物「百鬼夜行絵巻」に描かれている妖怪・べか太郎。 この妖怪が果たして人にどのようなことをするのか、どのように暮らしているのか、 詳しくは描かれていない。 でも、なにかわかる気がする。...


どのツラ下げて 胴面(どうのつら)
宴会芸…の名残ではない。 しっかりとした妖怪である。 妖怪・胴面(どうのつら)。 人間の体を持っているが、首から上がなく、その代わりに胴体に顔がある。 これで頭のところに課長の頭でも付いていれば立派な宴会芸として、大いにやんややんやできるのだが。...


煙の精霊 煙々羅(えんえんら)
めらめらと、ゆらゆらと、屋根から立ち上る煙が、何かに見えてくる。 自分の目が空想に浸っていると思っていたが、いつしか煙は実体を持ち始める。 妖怪・煙々羅(えんえんら) 珍しい「煙」の妖怪である。 煙々羅を描いた絵の紹介文には、...