今夜は来ないでね 枕返し
- magazine-yokai
- 2017年7月22日
- 読了時間: 2分

朝起きたら、体が寝る前とは全然違う方向を向いている。
そんな時は枕返しが来たのだ。
特に小さい頃は、朝起きたら180度向きが変わっていたり、枕の位置が変わっていたりなんてことは珍しくなかったから、
子供がいるどの家庭にも、枕返しは現れているのかもしれない。
単純に枕の位置や体の向きだけの違いであれば、枕返しはそんなに恐れる妖怪ではないかもしれない。
でも、枕返しにはもう一つ顔がある。
「命を奪う」のだ。。
寝る前に全く変哲もなく過ごしていた人が、朝起きた時には冷たくなっている。。
そんな時は、枕返しがきてしまったのかもしれない。
昔は、夢を見ている最中に「枕を返す」と、魂が帰って来られなくなると考えていたそうだ。
(魂が行き来するための扉のような理解だろうか)
気を使って生活していても、ある日枕返しがきて、くるっ、と返されて、それで終わりである。
なんとあっけなく、恐ろしい。
「寝言に返事をしてはいけない」という話を聞いたことはないだろうか。
寝言に話しかけるとその人が夢の世界から帰って来られなくなる=死んでしまうという説があるそうだ。
夢のメカニズムは未だに全貌が解明されていないらしい。
「記憶が整理されているだけ」らしいが、それにしても突飛な映像や、あまりにも生々しい世界。
寝ている間、別世界でもう一人の自分が生きているような感覚を覚える人は少なくないと思う。
もしかしたら本当に、全く別次元の世界で、自分そっくりの人間が生活しているのかもしれない。
そちらの自分が寝ている間、こちら側の自分が起きているだけかもしれない。
(そうすると、向こうの自分は少々寝すぎている気がするが、時間軸が違うと思っておこう…)
枕返しが寝床を選ぶのに、きっと大きな理由はないのだろう。
たまたま通りかかっただけ、かもしれない。
そんな気軽さで、ロシアンルーレットのような理不尽さで、今夜も寝床から寝床へ世界をあちこち移動しているかもしれない。
どうか見つからないことを願うばかりだ。
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