未確認飛行布 一反木綿
- magazine-yokai
- 2017年8月1日
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夕暮れ時にふと空を見上げると、何やら白い布のようなものがひらひらと飛んでいる。
誰かのふんどしだろうか?
現代なら、バスタオルだろうか?
いや、それにしても長すぎる。そして、飛びすぎている。
彼の姿は、一反木綿という。
その名の通り、長い布で空中を飛んでいる妖怪だ。
彼の全長は約10~12メートルで、非常に大きい。
世界の生き物で言うと、ジンベエザメの最大長にちょっと及ばないかな、くらい、の大きさである。
(※ちなみにふんどしは2.5mほどだそうなので、一反木綿と呼ぶにしては短い。)
とはいえ、一反木綿を捕まえて、正確に床にピタッとつけて巻尺で測ったわけではないであろう。
その昔、一反木綿を見かけた人が、「長いと思ったから」、一反と呼んだのだろうと思う。
だから実際の長さとの誤差は許してほしい、一反木綿よ。
彼は鬼太郎アニメのおかげで、非常に有名で情に厚く優しい妖怪として認識されているが、
その実非常に恐ろしい妖怪だ。
ひらひらと降りてきたかと思えば、
ぐっと首を絞められ殺されかけたり、体に巻きつかれてそのまま空へ連れ去られてしまう。
伝承では脇差で切りつけたら血を残して逃げていったそうだが、現代では刀を持ち歩いているような人物がいないので、格好の餌食だろう。。
鹿児島県のある地域には一反木綿が棲むとされる山があるそうだが、東京でも出没は確認されているようだ。
また、昔の話ではなく、近代・現代においても、一反木綿を目撃したと言う話は少なからずあるようだ。
目撃された一反木綿は、いずれも遠くで飛んでいるだけだったようなので一安心ではあるが、
夕暮れ時には足元だけではなく、空にも妙な姿がないか、気をつけておくべきだろう。。
「飛行物体」としての条件から、
どこかUFOやUMAにも関係があるのではないかと言われる一反木綿。
では、空へ連れ去ろうとすると言うのは、
もしや、いわゆる、キャトルミューティレーション未遂…なのか…?
恐ろしや。。
彼の姿を見ると「鬼太郎ど~ん」という、あの声が響いて和んでしまうのだが、
全身の血を抜かれてしまわないように、気を引き締めておかないといけない。