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うわん! うわん


あなたの地域に、昔から建っている、古いお寺があるだろうか。そしてそこは、あなたの通り道になっているのだろうか。

では、その道を通りかかる時は注意してほしい。

塀から、急に「うわん!」と驚かして、人間が驚いた隙に命を奪っていく妖怪、その名の通り、「うわん」である。

うわんの特徴は、絵に示されている通り、見た目は毛が縮れ、鋭い爪を持ち指が3本。

そしてお歯黒が施されている。

3本である指は鬼と同じ本数であり、「うわん」という妖怪名もつけられているが、

その通り鬼であろうとも言われている。

それはともかく、お歯黒が不思議だ。

以前お歯黒べったりの節で、お歯黒は既婚女性が行う風習だったとしたが、

昔は女性に限らず皇族や貴族の男性も行ったものでもある。

(歴史を題材にした漫画を見ると、たまに天皇家の人物がお歯黒をしている様を見かける。)

うわんが何らかの人間の慣れ果てた姿だったとしたら。

鬼となってしまったら、それが元は女性なのか男性なのかの勘ぐりは最早意味をなさないかもしれないが。。

古びた寺にいるというのはどうなのだろう。

元は男性か女性か。

女性であれば既婚した人が尼寺に入り、そこで生涯を終えたのかもしれないし。。

男性であれば、位の高い人物が寺に供養されていたのだろうか。。

そこで、結果として供養されきれずに妖怪となってしまったのか。

それも邪推だろうが。

うわんは、これほどインパクトがある絵があるというのに、具体的な伝承はあるわけではないようだ。

ただ、急に驚かし命を奪うもの、という妖怪だ。

私は幼少期に遊び場からお寺の脇道を通って帰る事が多かった。 お寺の裏側や脇道が非常に魅力的で、塀から中の建物(おそらく社務所)をのぞいたり、よく遊んだものだった。

幸いうわんに出会ったことはないし、大きな声もしなかった。

こちらから覗くものをあちらも好みはしないのだろう。

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