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たんたん狸の 塗壁(ぬりかべ)


夜道を歩いていると、急に目の前に大きな壁が現れる。

おかしいな、こちらに道があったはずなのに、と行こうとしても壁である。

触っても押しても蹴っても何も起こらない。

神出鬼没な壁の妖怪。

「塗壁(ぬりかべ)」の登場である。

アニメ鬼太郎では要所要所に現れてくれて、敵を通せんぼしてくれる、

とても優しくて協力的な妖怪として描かれている。

(残念ながら、実際に現れる時は「ぬ~り~か~べ~」という声のサービスはないようだ。。)

塗り壁に遭遇した時は、蹴ったり、上を登ろうとするでもなく、下の方を棒などで払うと消えるという。

塗り壁は、狸が化けたものであるとも言われている。

陰嚢を目一杯に広げて道を塞いで壁のように立ちはだかる。

(衛生上、ちょっと、あんまり触りたくないので、言われた通り棒などを使おう。。)

また、両手で道ゆく人の目をふさいでいるという話もあるそうだ。

狸は人をからかうのが好きだ。

人がウロウロと暗闇を迷っている様はさぞ面白かったろう。

街灯が多い都会の街では、もはや昼も夜もなくなり、

漆黒の闇に包まれた路地などは、ほとんど見かけなくなってきている。

田舎の方に住んでいると、夜8時も過ぎれば、早いお宅は早々に明かりを消し寝床につくから、

街灯がない道の暗闇は、まさに黒い布を広げられたように何も見えない恐ろしさがあった。

そんな中、私は横着して懐中電灯などの明かりは持たないものだから、早足で、なるべく明るい道を帰ったものだ。

電灯などなかった時代、夜の闇を「壁がそびえ立っている」と思えたのも無理はない。

提灯を持っていたとしても、提灯は手元の明るさが際立ちすぎて、数メートル先はより暗さを増したであろうから。

その闇に乗じて、塗壁が現れていたことも、きっとあっただろう。

たまたま目撃された塗壁は、夜型の生活でちょっと眠かったのかもしれない。

表情がわかるくらいの薄明かりのところで、うっかり現れてしまったのかもしれない。

だからアニメなどに示される彼は、よく半目でとろんとした表情をしているのか。。

もしくはおっちょこちょい者の狸が「ちょっと眩しいな…」としばたいている目なのやも。

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