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惜しい二人 どうもこうも


絵巻に登場するだけの妖怪で、何をするかはわからない。

その姿は、1つの体に対して異なる2つの頭がくっついている。

どうもこうもは、元は「どうも」と「こうも」という、2人の人間であった。

昔「どうも」と「こうも」という名前の二人の医者がいた。どちらも、自分こそが日本一の名医だと名乗り、自慢していたそうだ。

二人はある日、「どちらが日本一の医者であるか」技を競い合うこととなった。

まず二人はそれぞれの腕を切り落として、それを元どおりに繋いで見せた。

二人ともその傷跡は、まったく残らず、勝負はつかなかった。

次に、お互いの首を切って繋ぐことにした。

二人は代わりばんこに互いの首を切り落として、元どおりに繋ぎ合わせたそうだ。

この勝負でも勝敗がつかなかった。

とうとう、代わりばんこではなく同時に首を切り、同時に繋ぐという勝負に出た。

二人は互いの首を同時に切り落とした。

しかし、二人とも首を失ってしまったので、誰も繋げられず、二人は死んでしまった。

この話から、結局何もならないことを「どうもこうもならない」と言うようになったそうだ。。

二人は死んだ後も、勝負を続けていたのだろうか。

それでも決着がつかなかったのだろう。

全く同じ技量を持った二人は、結局一つの体として妖怪になってしまった。

それでも互いを相入れずに、顔は二つに別れたまま一つの命となったのだろう。

描かれている表情から、性格は方やおしゃべり、方や物静かな人物だったのかもしれない。

しかし、結局どちらも負けず嫌いの似た者同士。

医術の他にもうひとつ、互いを認め合うという技量さえあれば、また違った最期を迎えられただろうに。

なんとも惜しい二人である。

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