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背後に 震々(ぶるぶる)


ねえ、あなたの後ろに誰かいるよ…。

その人、だあれ?

今、ちょっとでもぞくっとした方、いますでしょうか。

怖い話を聞いた時、真っ暗闇を歩く時、日常さまざまな場面でなんだか怖いな、やだな~怖いな~、と感じる瞬間は誰にでもあるだろう。

身震いして、逃げ出したくなるような恐ろしい気持ち。

そんな時には、「震々(ぶるぶる)」があなたの首筋に触れているのかもしれない。。

震々(ぶるぶる)は別名「臆病神」「ぞぞ神」とも言われる。

人が恐怖を感じるのは、この震々がその人に取り憑いているせいだという。

恐怖は、本来身を守る大事なセンサーだ。

高いところから落ちないように、ぶつからないように、死なないように、ほぼ全ての生き物に備わっている高セキュリティ機能だ。いわば、震々は命あるもの全てに取り憑いている妖怪と言えるだろう。

平和な現代の日本では命を脅かすような事件はそう身に降りかかるものではないが、

震々が生まれた江戸時代、まだまだ侍がおり、真剣での戦いがあちらこちらで起きていたであろう時代には、この「恐怖」というセキュリティを外す必要があったはずだ。

恐怖を忌まわしいものとし、恐怖に襲われている自分を敵に見せるわけにはいかなかった。誇りのためにも、勝負に勝つためにも。

そんな侍らは、震々に取り憑かれるわけにはいかなかったはずだ。

しかし、抗えない絶対的な恐怖、死と対面した時には、震々の力を感じざるを得なかっただろう。

(いや、それも妖怪のせいとできるから、自らの恐怖を認めなくて済んだと考えるべきか。)

果たして見事震々を追い払うことができた猛者は、いたのだろうか。。

オカルトブームがじわじわと広がり始めている昨今、震々もあちこちで大忙しの夏だったろう。

江戸時代に忌み嫌われていたはずの震々が、今は多くの人が好んで彼の元に集まるというのも、震々にしてみれば奇妙な時代だろうか。

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