小鬼は何処に 家鳴(やなり)
- magazine-yokai
- 2017年8月26日
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古今東西、日本だけでなく全世界で代表的な超常現象である、いわゆる”ラップ音”。
その原因は、小さい鬼が屋敷の柱をゆすり、ギシギシと音を立てていたのである。
この現象を「家鳴」と呼ぶ。
木造家屋にお住いの方は家鳴は慣れっこかもしれないが、
鉄骨マンション住まいの一人部屋でも、夜中に家鳴がすると、「…あれ?」と不安になることがままある。
人が全くいない部屋からのピシッという音、きしむ音、パンッという破裂音。
家鳴は温度差がそうさせる、とか、湿度がそうさせる、とか、本格的な理由もそこには存在するものだから、果たして全ての家鳴の足元に小さい鬼がいるかどうか…
検証し見つけ出すのは大変な苦労となりそうだ。
もし地震のようなギシギシという家鳴が起きたなら、揺れが一番大きい中心部を見つけ出してほしい。
昔の人はそこに刀を突き立て追い払ったそうだ。
一か八か、包丁などを突き立てて見たら効果があるかもしれない。
(賃貸の人はご迷惑にならないよう、軽めのチョップくらいしか無理だろうか。。)
家鳴については、私も思い出がある。
木造アパート住まいだった頃、夜中の1時過ぎにふと目が覚めた。
ベットの枕元越し、引き戸を隔てて隣が玄関の戸口だったのだが、
急に「ギッ…シィ…」と玄関を踏みしめた時の音がして凍りついたものだ。
鍵を閉め忘れたか!という一瞬の緊張感の後、いやいや、チェーンさえもきっちりかけていることを思い出し、それでは、今のきしみは…忘れた方がいいやつだろうか。。
と思って一生懸命寝たのだ。
その時は考えないようにしていた。
明らかに人の足で、玄関を登ったような音だったこと。
ついでに裸足じゃなく、ごつっとした靴を履いているような重たい音であったこと。
昔ながらの木造家屋も減り、揺らす柱も減ってきた小鬼たちは、
現代人に変装して、とうとう床上に上がり込んできているようだ。
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