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小鬼は何処に 家鳴(やなり)


古今東西、日本だけでなく全世界で代表的な超常現象である、いわゆる”ラップ音”。

その原因は、小さい鬼が屋敷の柱をゆすり、ギシギシと音を立てていたのである。

この現象を「家鳴」と呼ぶ。

木造家屋にお住いの方は家鳴は慣れっこかもしれないが、

鉄骨マンション住まいの一人部屋でも、夜中に家鳴がすると、「…あれ?」と不安になることがままある。

人が全くいない部屋からのピシッという音、きしむ音、パンッという破裂音。

家鳴は温度差がそうさせる、とか、湿度がそうさせる、とか、本格的な理由もそこには存在するものだから、果たして全ての家鳴の足元に小さい鬼がいるかどうか…

検証し見つけ出すのは大変な苦労となりそうだ。

もし地震のようなギシギシという家鳴が起きたなら、揺れが一番大きい中心部を見つけ出してほしい。

昔の人はそこに刀を突き立て追い払ったそうだ。

一か八か、包丁などを突き立てて見たら効果があるかもしれない。

(賃貸の人はご迷惑にならないよう、軽めのチョップくらいしか無理だろうか。。)

家鳴については、私も思い出がある。

木造アパート住まいだった頃、夜中の1時過ぎにふと目が覚めた。

ベットの枕元越し、引き戸を隔てて隣が玄関の戸口だったのだが、

急に「ギッ…シィ…」と玄関を踏みしめた時の音がして凍りついたものだ。

鍵を閉め忘れたか!という一瞬の緊張感の後、いやいや、チェーンさえもきっちりかけていることを思い出し、それでは、今のきしみは…忘れた方がいいやつだろうか。。

と思って一生懸命寝たのだ。

その時は考えないようにしていた。

明らかに人の足で、玄関を登ったような音だったこと。

ついでに裸足じゃなく、ごつっとした靴を履いているような重たい音であったこと。

昔ながらの木造家屋も減り、揺らす柱も減ってきた小鬼たちは、

現代人に変装して、とうとう床上に上がり込んできているようだ。

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