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ちゅー 山地乳(やまちち)


一見猿に似た姿で、口先が尖った姿で描かれている。

一説によるとコウモリ年をとると、野衾(のぶすま)という妖怪になり、

そこからさらに年をとると山地乳になり、山中に隠れ住むという。

この山地乳は、眠っている人間の寝息を吸い取り、その様子を他の誰かに見られていれば、

寝息を吸われた者の寿命が延びるが、誰にも見られていなければ、その者はそのまま翌日に死んでしまうという

ちゅーしているのかと思うじゃないか。

猿が、おっさんの唇にちゅーして、何が嬉しいのだろう…という気持ちにはなるが、

そこはちゅーというか、「寝息を吸い取っている」と解釈することで良しとしようではないか。

(それにしてもやはり異様ではあるが)

ちょっとなりふり構わない、というにもほどがあるのではないか。。

以前、「覚(さとり)」という山の妖怪をご紹介したと思うが、山地乳も、山の中に現れる妖怪で、

覚と同じ仲間、もしくは似た妖怪として扱われる。

獣に似た姿で、人間の浅はかな対応も見透かす。

とはいえ寝息を吸うためには、人の寝たふりだろうが浅い眠りだろうがなんだろうが、もはや老若男女関係なく開き直って、どんな境目だろうが飛び越えていくしかないのだと思うが、

いったい山地乳からみてどれが彼の極上の食事となるのかがわからない。

覚となる境目、山地乳となる境目、どれが彼にとって”理想的なもの”かはわからないが、

人知れず闇夜の床にて、誰とも厭わない口づけをしなければならないでのであれば、なんとなく、どうであれ理想的ではないのはわかるのだ。

本当は何が欲しいのか、どんな口づけが理想なのか、未だもって謎のままの妖怪、山地乳である。

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