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さみしいひもじい 首かじり

  • 2017年9月9日
  • 読了時間: 2分

墓に現れる老人の妖怪。

死体の首を掘り出してボリボリとかじる、妖怪「首かじり」。

餓死した老人が妖怪化したもので、生前の自分に食物を与えなかった人物が死んだ後、その墓に現れ死体を掘り起こし首をかじるという。

妖怪化してるということは、先に亡くなったのは確実に首かじりのほうだ。

その首かじりに食べ物を与えなかった人物というのは…十中八九、その息子、娘であろう。

民間の伝承となっている「姥捨山」などは、実際に行っていた地域があったのか定かではないが、昔の人は現代よりはるかに切実に、「生きる」ために、時には残酷な行動を起こしていたはずだ。

その選択肢の一つに、働けなくなった老いた父母を捨てることや、食べ物を与えなかった、などの行為が、一切なかったとは決して思えない。

もちろんあまりにも人の道を外れた行為だが、家族全員が路頭に迷うことは避けねばならない。

暮らしが苦しい家では、食い扶持を減らし命を繋げるには、手段を問えないこともあったろう。。

旧家など、座敷牢がある家もあったわけで、食事を与えられず、部屋に閉じ込められて最期を遂げた老人は何人もいたのではないだろうか。

暗い部屋で、寒さと飢えに苦しんで、どんな思いで過ごしていたのだろう。

絶命する時には、それこそ人間的な思考を失っていたかもしれない。

残るは飢えと腹にたまらぬ恨みのみ。

我が子の首をかじる親の気持ちなど、あまりに悲しく想像したくもないが、

超高齢化社会となってきた昨今、そろそろ現代の墓場にも首かじりが現れ始めるかもしれない。

首かじりの存在をただの昔話とするには、まだ早いのだ。

 
 
 

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