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死してから恨む 狂骨(きょうこつ)
- magazine-yokai
- 2017年9月27日
- 読了時間: 2分

”狂骨は井中の白骨なり
世の諺に 甚しき事をきやうこつといふも
このうらみのはなはなだしきよりいふならん”
狂骨は井戸の中の白骨のことである。
方言で「きょうこつ」とは、激しさを意味するが、この狂骨の恨みの凄まじさからきている、という一文だ。
井戸に捨てられた骸骨の怨念が、狂骨となり現れると言われている。
(もしくは、井戸に落ちて死んだ人間が化けたものとも)
妖怪というよりは、怨霊、死霊に大別されるだろうか。
時代劇ドラマなどでよく聞かれる、「打ち首、獄門!」という意味は、
首をはねられた後、晒し首で辱めを受けさせるぞ、という刑罰である。
私はそれを知った時、死んだ後のことなど知ったことではないのでは…と思ったが、当時の人には刑罰になるほど、
死んでからの扱いも大切なことであり、首を晒されることは(本人にも、その家族にしても)大恥であるとされたのだ。
真っ当な供養を受けられず、井戸に投げられ雑に扱われてしまった遺体が、
辱めを受けたと言って壮絶な恨みを持って死霊となって現れる。。
火葬も、以前は上流階級の受けるような埋葬の方法であったのだから、
死んでからあれこれ文句を言われながらも、きっちり焼いてもらい、お経もいただき、
立派にお墓も入れる現代の私たちは、狂骨からしたら贅沢者でしかないのだろうな。
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