ピリピリしてた 山姥(やまんば)
- magazine-yokai
- 2017年9月26日
- 読了時間: 2分

気がふれてしまった女性の果ての姿か、
巫女の姿か。はたまた、山の神なのか。
山姥(やまんば)と聞くと、どのような姿を思い浮かべるだろうか。
追い剥ぎをする、叫び声をあげて追いかけてくる、山で出会ったが最後、命を奪われ、肉を喰べられてしまう。。
ーー山姥は、山中にある誰ともしれない家に住み、旅人などが宿に困り訪ねてくると快く出迎え、食事を作りもてなす。
旅人は丁重にもてなされ満足してその日を過ごすが、
夜、旅人が寝ていると、シャコシャコと包丁の研ぐ音がする。
ゆっくり目をさますと山姥が嬉しそうに包丁を研いでいる姿だった。
山姥の独り言から、旅人は「山姥が自らを殺しとって喰らおうとしている」ということに気づき、命からがら逃げるのだ。ーー
私たちが持つ山姥の印象というのは、こういったものだろう。
残虐な側面がクローズアップされがちな山姥だが、その語られる本当の姿は、このような「鬼婆」だけではない。
山姥は、”山の神に仕えた巫女が妖怪化したものである”とか、”山岳信仰で入山した女性の後の姿”である、とも言われている。
果ては「山の神」であるとも言われる。
一般的に山の神の姿は、「女性」だそうだ。
山の神は、大変気性が激しい反面、母性愛が強く、おとぎ話で有名な金太郎などなど、数々の神童を生んできたと言われている。
また、非常に妊娠しやすく、一度に何十人の子供を産むような、異常な多産でもあるという。
(余談だが、ハワイのキラウエア火山に住むと言われる神様・ペレも女神だ。)
人間一人でさえ、命を生む作業は想像を絶するほどの体力がいるというのに、
何十人も生んでいたら、それは険しい顔にもなるだろう。。
お腹も空くだろうし、そもそもテリトリーに誰か入ってきただけで、ものすごいストレスを感じたことだろう。
だからきっと、人間が出会った時、ちょうど山姥はピリピリしていたのだ。
出産を控えていたのだ。
昼間は調子良かったけど、夜になってイライラが爆発してしまったのだ。
だから、山姥のことは距離をとってそっとしておくのが一番だ。。
近寄ると怖いし…。
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