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純愛 蛇骨婆(じゃこつばばあ)


「もろこし巫咸国(ぶかんこく)は女丑の北にあり

右の手に青蛇をとり

左の手に赤蛇をとる人すめるとぞ

蛇骨婆は此の国の人か

或説に云 蛇塚の蛇五右衛門(じゃごえもん)といへるものの妻なり

よりて蛇五婆(じゃごばあ)とよびしを 訛りて蛇骨婆といふと」

かつての中国大陸に、右手に青蛇、左手に赤蛇を持っている人がいた。

この人こそ「蛇骨婆」か。という一文だ。

ある話によると、蛇塚の”蛇五右衛門”という男性の妻であった。よって、蛇五婆(じゃご婆)という呼び名が訛って、蛇骨婆というようになった。

蛇骨婆は、山の奥に住んでいる。

右手の青い蛇は人を凍らす力を、左手の赤い蛇は人を炎で焼き尽くす力を持っており、

その二匹を操るという。

蛇骨婆の夫である蛇五右衛門は、蛇の妖怪であったが人間によってある塚に封印されたという。

妻である蛇骨婆は、その塚を守り、近づくものはその両手の蛇を使い脅かすという。

夫のそばで、夫を守り続ける献身的な奥さんであるが、

今となっては通り名のみで、本当の名もわからない。

蛇骨婆と呼ばれる前、妖怪となる前、愛してしまったのが蛇の妖怪だったという、蛇五右衛門・夫だったのだろうか。

人と蛇、いや人と妖怪という垣根を超えて、今もなお夫のそばを離れない。

見事な一途、あっぱれな、奥様だ。。

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