あと1話 青行燈(あおあんどん)
- magazine-yokai
- 2017年10月3日
- 読了時間: 2分

百物語。
複数人で集まり、100本のろうそくを立てる。
一人が1話怪談を話し終えるたび、目の前のろうそくをふっと吹き消す、という印象が一般的だ。
そして最後の1話を話し終えた時、恐ろしい怪異が起こる…!とされている。
最近ではオカルトブームも相まって、SNS上で催されたり、
あるいは会場を貸し切り、知らないもの同士が「持ち寄る」形のイベントも多数見かける。
百物語は「肝試し」の要素と、「怖いもの見たさ」が融合した刺激的な会で、現代でもそのスタイルは根強く愛されている。
さて、そんな百物語を行う際の会場のイメージを思い出して欲しい。
薄暗く、光はわずかにろうそくと、どこからかの青白い光だけ…。という光景ではないだろうか。
その”青白い光”の定着は、昔における百物語のブームが始まりのようだ。
江戸時代、百物語を行う際「行燈」という明かりに雰囲気を出すため、薄い青い紙を貼ったことが演出の始まりだった。
(その起源を知らずとも、私たちが暗くて青い光=怪談と思うのは、祖先から受け継いだものなのだろうか。不思議だ。)
そしてその百話を話し終えた時に現れる恐ろしい妖怪が、「青行燈」だ。
その姿は黒くて長い髪、白い着物を着て、歯は黒く塗られている、いわゆるお歯黒。
頭に角があり、いわゆる”鬼女”の姿をしている。。
実は百物語、こういった妖怪の出現や怪異を避けるため「99話目で終わらせる」というのが定番という。
そのため、この青行燈が実際に現れて被害を受けた、といった記録は残されていないようだ。
ただ、気をつけていたとしても、
「みんなで持ち寄ったのは99話、話す順番を数えてもそれは間違いないのに、用意したろうそくが100本消えていた」
なんてこともある。
その場にいないはずの誰かが一人、入り込んでいたのだ。。
99話で話を止めていても、あなたの背後に誰も来ていないとは限らない。
Comments