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妙なプライド 小雨坊(こさめぼう)


秋が寒さと一緒に雲を引き連れてやってきたような、冷たい雨が降っております。

体の芯まで冷やされるような雨…。

雨音と一緒に、暗闇では人外のものが思わぬところに現れている。

”小雨坊は 雨そぼふる夜、大みねかつらぎの山中に徘徊して 斎料(ときりやう)をこふとなん”

妖怪「小雨坊」は、このような雨降る夜に、山中(大峰山、葛城山などの霊山)に現れ、お布施を求めるのだという。お布施でなく、食べ物や小銭を乞うこともあるという。

彼の身なりは、少し不気味な中年男性といったところだ。

描かれている様から、身につけているものは少し派手で、着崩している感もある。

ややカジュアルにしている気がする。物を乞う割には、そこまでのみすぼらしい姿をしていない印象だ。

むしろ綺麗に仕上げている。

そしてわざわざ修験道の集まる霊山に現れ、物を乞うというのはどういったことか。

お坊さんをありがたがる人は、こういった修行の場にいる方々より、村などに降りた方が絶対に多い。

”修験道が集まる”霊山、いわゆる同じ悟りへの道を目指している者たちの元に現れ、布施を乞うる…。

明らかに彼の目的は布施そのものや食べ物ではないのだ。

「プロに認められること」だ。

霊山にいる人々ーいわゆるセミプロに支持されるべきと自分で位置付けている。

セミプロからの品々がステータスか。。

小雨坊は、強情でプライドが高い、ただの自意識過剰なお坊さんなのだ。

それで損していることが多くても、本人も半分気付きながらきっと治せないのだ。。

それはどことなく、私や誰かにも、似ている。

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