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鬼が宿り続ける 髪鬼(かみおに)


女性の執着や怨念は、様々なものに宿る。

例えば、持ち主がじっと見つめることが多い”手鏡”の類、それと髪をとく”櫛”は、リサイクルショップや古物商などで安くても、買うことは遠慮した方が良いという。

もちろん、その噂に科学的根拠はない。

迷信と言われればその通りだが、女性が「鏡に向かう」時の想い。そして、あらゆる呪詛に使われるほど思いがこもりやすいとされる「髪の毛」を丹念に研いていたであろうその櫛。

過去に何が起きたかを知ることはできないが、良かれ悪かれ、何がしかの思いを抱き、鏡の前に座っていた”誰か”は存在していたのだ。

さて、これに描かれるのは髪が異常なほどに伸びた男性の姿である。

彼の髪は「髪鬼」に取り憑かれてしまった。

髪鬼に取り憑かれると、髪が伸び続け、切っても切っても止まることを知らずに伸び続け、伸びて伸びて、鬼の角のように逆立ってしまう。

この髪鬼は女性の怨念や嫉妬心により、男の髪の中に生まれた妖怪だという。

おそらく男性が不義を働いたのだろう。

その髪が表す鬼の角は、彼女の心のうちであり、切っても切っても伸び続ける髪は、絶え間ない憎悪の現れであろう。

そして彼は一生懸命、鏡に見入っているが、果たしてその鏡も無事なのだろうか。

すでに女性の怨念は髪の毛も、目の前の鏡にさえも映り込み、彼を襲い続けているのかもしれないのだ。

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