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雨に踊れば 雨降小僧(あめふりこぞう)


冷たい雨とともに一気に寒気が訪れ、冬の支度が急がれる。

夏の余韻は既になくなり、あっという間に秋模様と言った最近ですが。

「雨のかみを雨師(うし)といふ 雨ふり小僧といへるものは めしつかはるる侍童(じどう)にや」

雨の神様に仕える子供の妖怪、「雨降小僧」(あめふりこぞう)がいる。

その姿は、昔住み込みで働いていた「小間使い」の少年の姿で、竹笠をかぶっている。

その通り、雨神の使いであり、自在に雨を呼ぶのだという。

岩手県の仙人峠というところで、狐が雨降小僧に「狐の嫁入りをするから雨を降らせてくれ」と頼んだところ、

小僧が手にした提灯を振ると雨が降り出したという話がある。

”狐の嫁入り”は、一見空は晴れているのに奇妙に雨だけが降っているという、変な現象だ。

あれは雨降小僧が狐からのリクエストを受けて、一生懸命その要望に応えていた姿だったのだ。

サービス精神旺盛で、天真爛漫な子供そのもの。

天気というものはその実そういった性格のもので、画策もない。

突然に雨が降ることも、長らく雨が降らないことも、さしずめ大きな理由はないのだろう。

これから向こう一週間は雨模様が続くようだ。

雨降小僧がそこら中で踊るように提灯を振っている姿が、いつかの夜に見られるかもしれない。

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