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寝ぼけまなこの 暮露暮露団(ぼろぼろとん)
- magazine-yokai
- 2017年11月17日
- 読了時間: 1分

万年床、という言葉があるが。
敷きっぱなしの布団というのは、果たして大切にされているのか、ぞんざいに扱われているのか、難しいところである。
また、客人用に長らく押入れへ閉じ込められている布団も、出番が来ぬままいく年月重ねてしまうこともあるだろう。
布団に対する愛情はどうであれ、
長い間手入れもされず、使い込まれた布団は、
いつしか九十九神となり「暮露暮露団(ぼろぼろとん)」となるようだ。
その姿は犬の遊び道具にでもされたのだろうかというほど、
すっかり綿も飛び出し、ペタンコに薄くなってしまっている。
この姿では、特に冬の寒さにはとてもじゃないが太刀打ちできないだろう。
暮露暮露団はそれぞれの事情を背負って、次の住処を探すのだろうか。
自身さえも眠りから覚めたばかりのように、虚ろな目をして何処かへさまよい歩くのだ。
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