top of page

あの世からの火 けち火(けちび)


人魂、火の玉、鬼火…。

いわゆる「怪火」は様々な場所に現れ、姿を変えて現れる。

その伝承や地方によって、呼び方も様々変わるようだ。

西日本では、「けち火」。

高知県の民話に、このような話がある。

芳やんという男が夜道を歩いていると、川のそばで道端にけち火が転がっていた。

近づいてみるところころ転がりだすので、好奇心から追いかけると、けち火はコロコロと逃げ出し、人家に入り込んだという。

その家では、寝ていた男が目を覚まし、妻に「芳やんが追いかけて来るので必死に逃げて来た」と語ったという

けち火は眠っているときに体から抜け出るものと、死んだ瞬間にその肉体から発生するものとあるという。

芳やんの話は前者である、いわゆる幽体離脱なるものだろう。

また、同じく高知県には、度胸試しにとけち火を捕まえた男が、

なんとか家まで持ち帰ったが、捕まえた両手を開くとけち火が消えてしまっていた。

翌日、男は熱病にかかり死んでしまったという。

呼び方を変えれど、人魂は人魂。

本来死後の世界に属する存在なのであるから、現と交わるということは相互に支障を起こすものなのだろう。

けち火は草履を三度叩くか、草履に唾をつけておびき寄せることができるという。

足の裏はこの世を踏みしめるものだ。

足のある=生きている人間の、ちょうど裏に当たる足の裏。。

そこに装備する草履を叩くということは、この世とあの世の扉を叩くようなことなのだろう。

特集記事
後でもう一度お試しください
記事が公開されると、ここに表示されます。
最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page