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ちょっとジブリ的な。 袋狢(ふくろむじな)


ムジナ。

主にアナグマ、他にはタヌキやハクビシンなどのことをそのように呼ぶ。

ことわざでいう、「同じ穴のムジナ」は、違うように見せていても、同類で、同じ仲間なのだよ、という意味で使われる。

あまり「ムジナ」という表現に良いイメージを持たないのは、穴に潜む生き物=お天道様に顔見世できないような悪事を働く者、という印象もあるからだろう。

さて、そんな彼らの住処・穴蔵に住まう彼女は一体何者だろうか。

「袋狢(ふくろむじな)」

大きな袋を担いだ女性のいでたちをした狢である。

その実何を行うか、一体どんな妖怪であるかは、はっきりと描かれてはいない。

絵の一文は、

「穴のむじなの直をするとは おぼつかなきことのたとへにいへり

袋のうちのむじなも同じことながら 鹿を追ふ猟師のためには

まことに 袋のものをさぐるがごとくならんと、夢のうちにおもひぬ」とある。

穴の中にいる狢の位置を根拠もなく「近くにいる」とか「手が届くはず」というのは、曖昧な当て推量をすることだ。

それは袋の中の狢も同じだし、鹿を追う猟師というのは、本当に袋の中の狢を探るようなものだなと、夢のうちに思いました。

みたいなことを言っている。

それの挿絵的な扱いで袋狢(ふくろむじな)を描いている。

彼女の飄々とした表情、屋敷の中の番をしているのか、はたまたムジナたちが集めた本日の戦利品をかき集めているのか、

色々とファンタジーな想像を掻き立てられるが、それこそ当て推量でしかない、というものだろうか。

私たちの知らないもう一つの世界の小さな穴の中で、

彼女やムジナ彼ら達が生き生きと暮らしている。

そんな様子をほんのりと想像して、楽しむに止めるが良いだろう。

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