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はじまり ダイダラボッチ
- magazine-yokai
- 2017年12月2日
- 読了時間: 1分

国ひとつほどもある巨人。
神か、鬼か、果たして妖怪か。。
今私が見上げている山は、いつか彼が持ち上げて重ね合わせた地面で、数多くの人々が暮らす住宅街の密集する平地は、いつか彼が腰を下ろした場所だ。
ダイダラボッチ。
日本各地で伝承される”国づくり”の巨人、である。
奈良時代に編纂された『常陸国風土記』(ひたちのくにふどき)や『播磨国風土記』(はりまのくにふどき)などに、国を作った巨人のことが書かれている。
巨人が食べた貝の殻を積み続けた場所が、「貝塚」になったであるとか、巨人が歩いた足跡が沼になった、と綴られている。
富士山はもともと違う場所にあり、ダイダラボッチが移動させたのだという。
この運んでいる最中に彼が休んだ場所や、再度富士山を持ち上げようとした場所もまた別の形をした大地になり、名所になり、今でも愛されている。
砂場で遊ぶ子供のように、巨人によってこの大地は作られて、
いつしか命がそこかしこに現れて、人々はその景色達を、それぞれに故郷と呼び始めたのだ。
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