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誘う花 古椿


赤く、非常に愛らしい花をつける椿。

花言葉は「控えめな素晴らしさ」。

椿は樹木であり、寿命は非常に長い。

江戸時代に入り武家屋敷が建てられた際には、数多くの椿が植えられたという。

年月を経て老いた椿の木には、精霊が宿り、人をたぶらかすという。

ある話によると、城下を2人の商人が歩いていた。

峠道にさしかかった頃、片方の商人のそばにいつしか女が歩いていた。

女がその商人に息を吹きかけると、商人の姿が蜂に変わってしまい、女は椿の木の中へ姿を消した。

商人が変化した蜂もそのツバキの花に吸い込まれ、

やがて花がポトリと落ち、残った商人がその花を拾うと、ハチは既に死んでいたという。

椿の花は、朽ちる時、まさに力つきるように、ぽとん、花が落ちる。

あれは初めて見ると、驚き、何やら不吉なものを感じるのだ。

華やかな美しさがあっという間に誰かに奪われるような…。

まるで、首が落ちるように。

冬はまだ眠っている椿も、早いものは冬の中頃に花を咲かせ始める椿もあるが、

フラフラと覗き込むと、たちまち取り込まれて、花と一緒にぽとりと命を落としてしまうかもしれない。

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