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不安 狐憑き
- magazine-yokai
- 2017年12月8日
- 読了時間: 2分

昨日まで明るく挨拶をしていた人が、
ある日から突然別人のように変貌を遂げる。
性格が変わる、人相が変わる、服装、言葉遣い、時には夜間に徘徊し、叫び回る。
昔は、そうなってしまった人を「狐に取り憑かれた」と口々に言った。
狐は身近な動物でもあったが、今でも「お稲荷さん」が多数存在するように、神様であり、神の使いでもある。
礼をわきまえきちんとお願いをしていれば良いが、高貴でいて気難しい。
手前勝手に人間が都合の良いときだけ神頼みをし、その後ぞんざいに神事を乱したりすると、非常に重い罰を与える。
その一方で農業や商いの神様として、今でも深く信仰され、稲荷神社はそこかしこに点在し、今もその地や人々を守ってくれている。
人間は今と同じ生活を、昨日と同じ風景を見ることで、
そこが「安全」だと思え、「安心」して暮らしている。
そんな中隣人が以前と変わってしまった時、心に不吉な不安を覚える。
だからこそ、「彼は”得体の知れない何か”、”触れてはいけない何か”を侵してしまったのだ、その罰が当たったのだ。」と考えた。
自分は大丈夫だ。
あの人だけが特殊なのだ。
間違った人だからああなったのだ。と。
医学の発展で、精神も肉体も病として説明できる今、”狐憑き”達には、病に苦しんでいた人がは多くいたのだろうと思える。
果たして実際に取り憑かれていた人はどれほどいたのだろうか。
きっと0ではないだろうと、私は思ってしまうのだが。
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