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全身鏡持ってこい べか太郎
- magazine-yokai
- 2018年1月13日
- 読了時間: 1分

あっかんべーをしている。
ベーっとするために存在している。
江戸時代に描かれた絵巻物「百鬼夜行絵巻」に描かれている妖怪・べか太郎。
この妖怪が果たして人にどのようなことをするのか、どのように暮らしているのか、
詳しくは描かれていない。
でも、なにかわかる気がする。
ろくな生活をしていない、と一目でわかるだるだるのお腹。
筋肉を感じさせない腕に、短い手足。
猫背。腫れぼったい目、目尻のしわは疲れ目だろうか。
人のアラを探しては、舌を出し、馬鹿にし続ける毎日。
何年も何百年も、そんなことをして過ごしていたがために、
醜悪な自らの姿に気づいているのだろうか。
大きな鏡の前に彼を立たせたら、自らにもあかんべする勇気はあるだろうか。
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