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全身鏡持ってこい べか太郎


あっかんべーをしている。

ベーっとするために存在している。

江戸時代に描かれた絵巻物「百鬼夜行絵巻」に描かれている妖怪・べか太郎。

この妖怪が果たして人にどのようなことをするのか、どのように暮らしているのか、

詳しくは描かれていない。

でも、なにかわかる気がする。

ろくな生活をしていない、と一目でわかるだるだるのお腹。

筋肉を感じさせない腕に、短い手足。

猫背。腫れぼったい目、目尻のしわは疲れ目だろうか。

人のアラを探しては、舌を出し、馬鹿にし続ける毎日。

何年も何百年も、そんなことをして過ごしていたがために、

醜悪な自らの姿に気づいているのだろうか。

大きな鏡の前に彼を立たせたら、自らにもあかんべする勇気はあるだろうか。

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