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どうか今日もご無事で 磯撫で(いそなで)
- magazine-yokai
- 2018年1月23日
- 読了時間: 1分

異常気象や天変地異、不慮の事故。
それが海に息づく生き物となった
「磯撫で(いそなで)」という怪魚がいる。
サメによく似ており、尾びれには細かい針がおろし金のように無数にあるという。
北風が強く吹くと現れ、磯撫での近くを通りかかる船を襲う。
”磯撫で”という名前通り、巧妙に海面を撫でるように近づき、
尾びれの針で人を引っ掛けて海中に落とし、食べるという。
この怪魚の姿を目視した時にはすでに時遅し。
食べられる時であるという。
おや、海面が色を変えたかな?と思った直後、軽く上に吹き上げるような風を感じる。
それは磯撫での尾が起こした風であり、気づいた頃には磯撫での餌食になっているという。
捕らえどころもなく、神出鬼没。
襲われる人、襲われない人の間に何か大きな理由はない、まさに運次第である。
海の上では何に出会うかわからない。
自然相手では人が到底敵わないものは多々あれど、せめてそれに出会うことのないように、
人々はひたすら祈りに手を合わせるのだ。
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