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悪戯な灯り 送り提灯
- magazine-yokai
- 2018年1月30日
- 読了時間: 1分

東京都墨田区に伝わる怪奇談、「本所七不思議」。
その一つにある「送り提灯」という怪異がある。
夜の道を提灯を持たずに歩く者の前に、ふと提灯のように揺れる灯りが現れる。
目当てに近づこうとすると、また不意に灯りが消える。
やがてまた灯りがつき、また近づくと消え、繰り返し繰り返し、
いつまでもそのあかりには追いつけないという。
同じく墨田区の石原割下水では「提灯小僧」といい、
夜道を歩いている者のそばに小田原提灯(折りたたみ式の蛇腹提灯)が現れ、
振り返ると後ろに回りこみ、追いかけるとまた姿を消し、
前後左右に自在に動き回るという伝承があり、本項と同一の怪異と見られている
ゆらゆらと人を誘い、
犬の尻尾のようにくるくると付いて回る。
小さな子供がちょこまかと大人をからかうようだ。
少し愛らしい灯りの奇談、である。
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