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悪戯な灯り 送り提灯


東京都墨田区に伝わる怪奇談、「本所七不思議」。

その一つにある「送り提灯」という怪異がある。

夜の道を提灯を持たずに歩く者の前に、ふと提灯のように揺れる灯りが現れる。

目当てに近づこうとすると、また不意に灯りが消える。

やがてまた灯りがつき、また近づくと消え、繰り返し繰り返し、

いつまでもそのあかりには追いつけないという。

同じく墨田区の石原割下水では「提灯小僧」といい、

夜道を歩いている者のそばに小田原提灯(折りたたみ式の蛇腹提灯)が現れ、

振り返ると後ろに回りこみ、追いかけるとまた姿を消し、

前後左右に自在に動き回るという伝承があり、本項と同一の怪異と見られている

ゆらゆらと人を誘い、

犬の尻尾のようにくるくると付いて回る。

小さな子供がちょこまかと大人をからかうようだ。

少し愛らしい灯りの奇談、である。

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