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山本五郎左衛門(さんもと ごろうざえもん)


お武家さんの面会の様子に見えるだろう。

向かって左の、お武家のような、商人のような、何か話を持ちかけているような裃の男性が、

山本五郎左衛門、妖怪である。

この男、このなりで、妖怪の眷属たちを引き連れる頭領だという。

つまりは人の真似をした仮の姿なのだ。

向かって右、真面目そうにまっすぐその妖怪を見据える青年の名を、稲生平太郎という。

この稲生平太郎、何の因果か山本五郎左衛門の怪異による嫌がらせを、まる30日間受け続けることとなる。

それを記した江戸時代の書物が妖怪物語「稲生物怪録」である。

平太郎はその奇怪な日々を動じることなく見事に耐え抜いた。

この絵はその最終日に山本五郎左衛門が、裃姿で平太郎の見事な気丈さを褒めたたえたシーンを描いたものである。

山本五郎左衛門は、神野悪五郎(しんの あくごろう)と魔王の頭(かしら)の座をかけて、

勇気のある少年を100人驚かせるという賭けをしていた。

インド~中国~日本と渡り、86人目の少年として平太郎を驚かそうとしたのだという。

山本五郎左衛門は怪異を起こすことはせず、悪五郎が来たときには助力するといい、

木槌を渡して妖怪たちを引き連れて去ったという。

この木槌は寺宝として広島県の国前寺に伝えられている。

少年・平太郎くんの耐えた日々は「稲生物怪録」ですぐ調べられる。

少し元気がないときに見ると、妙に励まされるのでオススメだ。

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