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城を牛耳る姫 亀姫(かめひめ)
- magazine-yokai
- 2018年2月23日
- 読了時間: 2分

徳川家康の長女も亀姫というが、彼女とはまた違う姫さまがおられたようだ。
妖怪・亀姫(かめひめ)。
福島県猪苗代町の猪苗代城(亀ヶ城)に住みついていたとされる。
その逸話は、何ともそら恐ろしいものである。
時の藩主に仕え、猪苗代城の城代の役職を授かった堀部主膳という人がいた。
1640年、12月。
堀部が一人でいると一人の禿頭の子供が現れる。
その者は「お前はまだ城主に挨拶をしていない。今日は城主が会ってやるとのことだから、急いで準備をしろ」と藪から棒に堀部に声をかけるが、堀部がこの城の城代は自分であり、城主などこの城にはいない、と伝える。
子供は笑い「姫路のおさかべ姫と猪苗代の亀姫を知らないのか、お前の命運はすでに尽きた」と言い残し去る。
やがて年が明けた正月に堀部が広間へ行くと、自分の席に棺桶や葬儀の道具などが置かれていたが、
不思議なことに家来たちに聞いても何者の仕業かはわからなかった。
その日の夕方には、どこからか大勢で餅をつくような怪音が響くなどの怪異があった。
同じ月の18日、主膳は便所で倒れ、2日後に息を引き取ったという。
百鬼夜行は、鬼や妖怪、魑魅魍魎の大行進だが、人の目に見えるとその人は死んでしまう。
餅をつく音は不吉さとは真逆にも思えるが、彼らには命をとる前祝いみたいなものだろうか。
堀部の命は亀姫の号令で現れた、百鬼夜行に連れて行かれたのではないか…と思える話である。
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