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お手伝い型UMA 異獣(いじゅう)


猿に似て、しかし人間よりも大きく、

さらに背中に届くほどの頭毛。

妖怪、いや今日でいうUMAの類になるだろうか。

「異獣(いじゅう)」と呼ばれる獣がいる。

ある年の夏の初め、

今の新潟県である越後国に、竹助という男が急ぎの荷物を背負って、届けの使いに出発した。

山の中で竹助が一休みして食事を取ろうとしたところ、奇妙な獣が現れたという。

谷間の根笹を押し分けて現れた奇怪なその獣が

竹助の食べていた弁当を欲しがるそぶりを見せるので、竹助が用心しつつ弁当を分けてあげると、

獣は嬉しそうにその弁当を食べたという。

その様子を見て安心した竹助が、帰り道にも弁当を分けてあげるとたて、そろそろ出発しようと荷物を手に取ろうとする先手を取って獣が荷物を背負ってくれた。

そのため竹助は苦もなく山道を歩き切った。

目的地に着くとその獣は疾風の如く山へ戻って行ったという。

この獣は山を通る者にしばしば目撃された他、人家を訪れて食べ物をねだることもあったという。

あげられるお弁当があると、大きな獣も心強い味方となるのだ。

山中へ出向く時は、少しおかずを多めに入れて出かけるのも、知恵というものかもしれない。

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