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「梅花氷裂」より 金魚の幽霊


「藻之花の怨魂、金魚に着す」

江戸時代の浮世絵師、戯作者である”山東 京伝”による小説「梅花氷裂」に記されている妖怪である。

昔、現在の長野県である信濃国に、藻之花という女性がいた。

唐琴浦右衛門という子のいない家に迎えられ、妾として暮らしていたのだが、その家の正妻が嫉妬に狂い、

妊婦である藻之花を鞭打ち、しまいには隣人にそそのかされて彼女を殺してしまう。

藻之花は飼われていた金魚の水槽に頭を突っ込まれ、子を抱えた腹を蹴り破られ、残酷に殺されてしまう。

藻之花の血と怨念が金魚に取り憑き、彼女を殺した正妻は呪いのため金魚のような姿になり果てたのだという。

「梅花氷裂」では、藻之花怨念が憑いて金魚の形が異形のものとなり、

ランチュウが生まれたのだと記されてる。

大きく膨れ上がった頭部は藻之花がもがき苦しみ果てた末の姿だとでもいうのだろうか。。

(蛇足ではあるがこの「梅花氷裂」、様々な人間模様や雪女などの妖怪も登場し、大変に面白そうである。

早稲田大学の図書データベースで読める驚きもひとつまみ。)

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