

見えない不安 鵺
お化けや妖怪について話すとき、「本当にいたのか」「見た人がいたのか」の討論は、あまり意味がない。 昔から伝えるのも人間なら、今聞きたがるのも人間で、それが嘘か本当かなんて見分ける根拠がない。 「今さっきすれ違ったおじさんの人相画を正確に書けるのか」というのと同じで、真実を1...


豆兄弟の弟さん 豆腐小僧
妖怪の世界は本当に楽しい。 こんなにも無害で何をするでもない、ただただ愛嬌だけで存在しているやつがいるのだ。 現代でいう、ゆるキャラの走りと思っていいだろう。 豆腐小僧。 その名の通り、豆腐を持っている。 ちょっと派手めの服で、豆腐を持っている。...


そこにいる おとろし
この、絵を見ただけでゾッとする姿が、底しれぬ印象を与えるおとろし。 神社の鳥居の上にいて、境内で悪さをする輩がいると、上から落ちてくるのだそうだ。 (こんないでたちの妖怪に目の前で睨まれたら、いたずら小僧もあまりの怖さに逃げることも忘れそうだ。。)...


虚を衝く天才 ぬらりひょん
「グレイ型…」 と、オカルト好きな人はうっかり呟きそうなほど、 人間というよりは宇宙人のそれに容姿がそっくりな妖怪、ぬらりひょん。 我らが妖怪の総大将だ。 ”家人が忙しくて目を離したすきに居間に上がりこみ、我が物顔で茶をすする妖怪”と言われる。...


玄関に出てきてほしい すねこすり
かわいい。 超かわいい。 天気の悪い夜に現れて、ちょっと歩きにくくさせる、という妖怪。すねこすり。 それ以上、大きな危害を加えることはないそうなので、すんごい断崖絶壁を歩いていない限り、そうそう困ることはない。 だとしたら! この丸っとした形状、ふわっふわであろう毛並み。...


一つ目になった泥田坊
田畑を破壊する、近代の無為な開発に警鐘を鳴らす象徴的妖怪として描かれがちな泥田坊。 その抱えるテーマは、実はそんなにダイナミックなものではなく、もっと根深く、まさに土臭い家の床下から生まれたような妖怪。 泥田坊は、生前真面目な愛情深いおじいちゃんだった。...