

荒ぶる神か 牛鬼
この夏、西の方で海や山でキャンプをしようという方は気をつけてください。 遅くまで遊んでいると、鬼が出るぞ。 頭は牛で、身体は鬼と蜘蛛が合体された、恐ろしい妖怪、牛鬼。 性格は残忍で、浜辺や池や沼の淵に現れ、人や家畜をとって喰らうという。...


お元気で 人魂
夏も深まり、お盆の季節がやってきました。 きゅうりとなすを玄関先に置いているお宅も見かけますね。 きゅうりは、早馬に乗って早くあちらの世から帰ってきてね、の合図。なすは、帰りは名残惜しいから、ゆっくりと気をつけて戻ってね、の合図。...


たんたん狸の 塗壁(ぬりかべ)
夜道を歩いていると、急に目の前に大きな壁が現れる。 おかしいな、こちらに道があったはずなのに、と行こうとしても壁である。 触っても押しても蹴っても何も起こらない。 神出鬼没な壁の妖怪。 「塗壁(ぬりかべ)」の登場である。...


いたいけな愉快犯 天井下り
犬や猫を飼っていると、上の方をついと見て、目で追ったり、鳴いたりすることがある。赤ちゃんが、ママの方ではなく、ぽっかりと空いた天井を見て、けたけたと笑う事がある。 そんな時は、振り向いたらいけない。 天井下りが現れているのかもしれないからだ。...


うわん! うわん
あなたの地域に、昔から建っている、古いお寺があるだろうか。そしてそこは、あなたの通り道になっているのだろうか。 では、その道を通りかかる時は注意してほしい。 塀から、急に「うわん!」と驚かして、人間が驚いた隙に命を奪っていく妖怪、その名の通り、「うわん」である。...


素直になろう 人面瘡と二口女
ある日ふと、体の一部にできものができる。 日毎に段々と強い痛みと痒みを伴って、大きく腫れ上がる。 大きく腫れたそのできものは、まるで人の顔のようで、そのうちヒクヒクと一人でに動くようになり、 口らしきものも開いてくる。 食べ物を口元に持っていくと、それを飲み込んだ。...


お尻に注意 飛頭蛮
首が体から離れ、空中を飛び回る。 屍頭蛮(しとうばん)とも呼ばれている。 中国の妖怪で、この飛頭蛮になることは、「抜け首の病い」と言われ、恐れられた。 いつもは普通の人間なのに、夜になると首だけが抜け、動き出す。 つまり人間が妖怪化してしまうことで現れる妖怪だ。...


未確認飛行布 一反木綿
夕暮れ時にふと空を見上げると、何やら白い布のようなものがひらひらと飛んでいる。 誰かのふんどしだろうか? 現代なら、バスタオルだろうか? いや、それにしても長すぎる。そして、飛びすぎている。 彼の姿は、一反木綿という。 その名の通り、長い布で空中を飛んでいる妖怪だ。...


誰ぞ彼のものは 逢魔時(おうまがとき)
妖怪の話ではないのだが。 昼と夜が移り変わる、ちょうど陽が沈むが、夜ほど暗くもなっていない、黄昏時。 時の狭間とも言えるこの妙な時間を、「逢魔時(おうまがとき)」と言う。 この時間は読んで字のごとく、「魔に逢う時」だ。 人外のものと出会う確率が高い時間。昼間に寝静まっていた...


同じ死に方で生き返る 縊鬼(いき)
「いつき」、「くびれ鬼」ともいう。 中国では、「吊殺鬼(ちょうさつき)」「吊死鬼(ちょうしき)」とも言われている。 縊鬼は恨みを晴らすために、その対象者に取り付くのではなく、 「自分が生き代わるために」首をくくらせるという。...