

火傷では済まない 飛縁魔(ひのえんま)
♪丙午(ひのえうま)のおふくろは 今年で60歳 親父を参らせた昔の美少女は すごく太って元気がいいが… 高田渡の歌「系図」に、こんな一節がある。 丙午生まれの女性は昔から、「気性が荒く、男を食いつぶして早死にさせる」と言われていた。...


鬼が宿り続ける 髪鬼(かみおに)
女性の執着や怨念は、様々なものに宿る。 例えば、持ち主がじっと見つめることが多い”手鏡”の類、それと髪をとく”櫛”は、リサイクルショップや古物商などで安くても、買うことは遠慮した方が良いという。 もちろん、その噂に科学的根拠はない。...


どでかい架け橋 手洗鬼(てあらいおに)
山から山をまたぐ橋。 山の頂から空高く弧を描く虹。 山にかかるものは、自然が生んだものであれ人が生み出したものであれ、いつでも美しく壮大で、見るものを魅了する。 四国にかかる瀬戸大橋、その距離をはるかに超えて高く山と山を繋ぐそれが、まさか「鬼の足」だったら、一体どんな景色が...


神様の気遣い 白粉婆(おしろいばばあ)
白粉婆(おしろいばばあ)は、奈良県に伝わる妖怪だ。 その姿はひどく腰が曲がり、ボロボロな大きな傘をかぶって歩いている老婆の姿だ。杖をつき、徳利を持っている。 鏡を引きずり、ジャラジャラと音を立てて姿を表すという。 その顔一面に白粉を塗りたくっているのだが、その塗り方がひどく...


一人の灯 老人火(ろうじんび)
雨の夜。山奥に一つの焚き火が見える。 これは助かった、と思うだろうか? いや違う。 天候は雨だ。屋外で焚き火ができるはずもない。。 それは信州と遠州(現在の長野県と静岡県)の境に現れる怪火である。この火は老人と共に現れ、その炎は水をかけても消えない。唯一、獣の皮ではたくと消...


”家宝”は寝て待て… 金霊(かねだま)
”人善事を成せば天より福をあたふる事 必然の理也” 小さい頃から、”いいことしてたら、いいことあるよ”と言われてきたその言葉を、もはや、「あれは…嘘だったんだな…」と思ってしまうほどの現状ですが。。 最後の最後に、いつかきてくれるのだろうか「金霊(かねだま)」よ。...


妙なプライド 小雨坊(こさめぼう)
秋が寒さと一緒に雲を引き連れてやってきたような、冷たい雨が降っております。 体の芯まで冷やされるような雨…。 雨音と一緒に、暗闇では人外のものが思わぬところに現れている。 ”小雨坊は 雨そぼふる夜、大みねかつらぎの山中に徘徊して 斎料(ときりやう)をこふとなん”...


骨の音 がしゃどくろ
身内の葬儀などで遺骨を見た人は、たくさんいるだろう。 骨となっても個人の体であり、魂を扱うことには変わりがないのだから、それなりの作法と手順を持って骨壷に納める。 割り箸で掴んだ遺骨は、その存在の重大さに反して、思っていたよりもカラカラと軽い音を立てるものだ。...


添い寝フレンド いそがし
毎日お仕事、ご苦労様です。 遊んで暮らしているという人も、ずっとパソコンの前にいる人も、心のうちは落ち着きませんか。 どなた様も上手に休めておりますでしょうか。 妖怪「いそがし」 この妖怪に憑依されてしまうと、落ち着きがなくなり、何かと動かないと落ち着けなくなってしまうとい...


あと1話 青行燈(あおあんどん)
百物語。 複数人で集まり、100本のろうそくを立てる。 一人が1話怪談を話し終えるたび、目の前のろうそくをふっと吹き消す、という印象が一般的だ。 そして最後の1話を話し終えた時、恐ろしい怪異が起こる…!とされている。 最近ではオカルトブームも相まって、SNS上で催されたり、...