

”家宝”は寝て待て… 金霊(かねだま)
”人善事を成せば天より福をあたふる事 必然の理也” 小さい頃から、”いいことしてたら、いいことあるよ”と言われてきたその言葉を、もはや、「あれは…嘘だったんだな…」と思ってしまうほどの現状ですが。。 最後の最後に、いつかきてくれるのだろうか「金霊(かねだま)」よ。...


妙なプライド 小雨坊(こさめぼう)
秋が寒さと一緒に雲を引き連れてやってきたような、冷たい雨が降っております。 体の芯まで冷やされるような雨…。 雨音と一緒に、暗闇では人外のものが思わぬところに現れている。 ”小雨坊は 雨そぼふる夜、大みねかつらぎの山中に徘徊して 斎料(ときりやう)をこふとなん”...


骨の音 がしゃどくろ
身内の葬儀などで遺骨を見た人は、たくさんいるだろう。 骨となっても個人の体であり、魂を扱うことには変わりがないのだから、それなりの作法と手順を持って骨壷に納める。 割り箸で掴んだ遺骨は、その存在の重大さに反して、思っていたよりもカラカラと軽い音を立てるものだ。...


添い寝フレンド いそがし
毎日お仕事、ご苦労様です。 遊んで暮らしているという人も、ずっとパソコンの前にいる人も、心のうちは落ち着きませんか。 どなた様も上手に休めておりますでしょうか。 妖怪「いそがし」 この妖怪に憑依されてしまうと、落ち着きがなくなり、何かと動かないと落ち着けなくなってしまうとい...


あと1話 青行燈(あおあんどん)
百物語。 複数人で集まり、100本のろうそくを立てる。 一人が1話怪談を話し終えるたび、目の前のろうそくをふっと吹き消す、という印象が一般的だ。 そして最後の1話を話し終えた時、恐ろしい怪異が起こる…!とされている。 最近ではオカルトブームも相まって、SNS上で催されたり、...


純愛 蛇骨婆(じゃこつばばあ)
「もろこし巫咸国(ぶかんこく)は女丑の北にあり 右の手に青蛇をとり 左の手に赤蛇をとる人すめるとぞ 蛇骨婆は此の国の人か 或説に云 蛇塚の蛇五右衛門(じゃごえもん)といへるものの妻なり よりて蛇五婆(じゃごばあ)とよびしを 訛りて蛇骨婆といふと」...


気まぐれ愉快犯 朱の盆(しゅのぼん)
真っ赤な顔に一つ目の恐ろしい妖怪である。 この朱の盆(しゅのぼん)に会うと、魂を抜かれるという。 その昔、越後へ旅する二人の男が、道に迷い日も暮れ困っていた。 そこに1軒の古びた家があり、老婆が住んでいたのを見つけ、一晩泊めてもらえるようお願いをする。...


誰への 送り拍子木(おくりひょうしぎ)
火の用心、カン、カンという、日本人では皆が知っている拍子。 地域の自警団や消防団が今でも行なっている見回り。 秋冬になり、そろそろ聞こえてくる季節だろう。 さて、これは「本所七不思議」の一つ、現代でいう東京都は墨田区に伝わる怪異である。。...


一人っきりで 長壁姫(おさかべひめ)
姫路城の天守閣に隠れ住む、 奇怪な妖怪姫「長壁姫(おさかべひめ)」 その正体は狐とも、かつての王が愛人との間にもうけた子であるとか、築城の際の人柱である、とも言われている。 長壁姫は不思議な力があり、今後の運命をお告げとして城主に告げていたという。...


空へ行くには 以津真天(いつまで)
流行り病は、いつの世も恐ろしいものだ。 ワクチンや有効な治療法が見つからないままに人々が生と死の境をさまよっている…その頭上では、見たこともない怪鳥が飛び回っているかもしれない。 妖怪・「以津真天(いつまで)」。 その昔、疫病が流行して多くの死者が出ていた頃、毎晩のように貴...