

骨まで愛して 骨女
いつ頃からか、「恋愛体質」という言葉が出始めた。 すぐ好きになる。 恋に一途である。 愛情が止まらない。 そんなイメージがある。 女性は感情の起伏が激しく、わがままで、自己愛も強く、あれこれと男を振り回すが、 それもまた、女性の愛すべき魅力の一つともいえる。...


嫌われた神の姿 魃(ばつ)
山の奥に住み、いつとはなく山から下り現れる。 その姿は顔は人面で目は頭頂にある、体は獣で手足が1本ずつであるという。 妖怪というよりは、ビックフットなどの未確認生物のような、現実味を帯びない奇妙な生き物、といった印象だ。 魃が歩いた道の草木は枯れ、池の水も干上がるという。...


かゞみの妖怪なり 雲外鏡
あらゆる魔物の正体を写すと言われる「照魔鏡」という鏡がある。 その長い年月を経た照魔鏡が付喪神となり、妖怪として命を得た姿が「雲外鏡」である。 殷の紂王を惑わした妖怪・妲己はこの照魔鏡に映されその正体を現したという。 「鏡に自分自身が写っている」と理解できる生き物は限られる...


相手が悪かった 元興寺(がごぜ)
奈良の元興寺、というお寺がある。 今でも奈良にあり、南都七大寺の1つに数えられる大きな寺院だ。 その寺院が建てられた飛鳥時代、 鐘楼の鐘撞きの童子をとり殺し続けたという、残酷で恐ろしい妖怪、その名も「元興寺(がごぜ)」である。...


罪と罰 油赤子
今でこそスーパーにもずらっと多種多様に並び、時には安値で買うこともできる油だが、昔は大変貴重なものであった。 「近江国 大津の八町に 玉のごとくの火 飛行(ひぎやう)する事あり 土人云くむかし志賀の里に油をうるものあり 夜毎に大津辻の地蔵の油をぬすみけるが...


クロケムシ【希少種】 毛羽毛現(けうけげん)
毛だらけで、 真っ黒で、 人の敷地内に勝手に入り込んで、 床下に住み着いている。。 これが人なら、出会った時には「このおじさん、変なんです!」と叫びそうな生活スタイルだが。 ご安心ください、妖怪です。 毛羽毛現(けうけげん)、滅多に現れないので希有希現ともいう。...


早朝にらめっこ 目競(めくらべ)
目競は、平清盛が遭遇した妖怪と言われている。 ある朝、清盛が中庭を見ると、そこには死んだ者の髑髏が無数に転がっていた。 その髑髏らは、驚くべきことに上に下に、左に右にと動き回っていた。 髑髏はそのうちに一つの大きな塊となり、やがて40メートル以上の巨大な髑髏となった。...


ちゅー 山地乳(やまちち)
一見猿に似た姿で、口先が尖った姿で描かれている。 一説によるとコウモリ年をとると、野衾(のぶすま)という妖怪になり、 そこからさらに年をとると山地乳になり、山中に隠れ住むという。 この山地乳は、眠っている人間の寝息を吸い取り、その様子を他の誰かに見られていれば、...


孤独な食事 狐者異(こわい)
食欲は人を狂わせる。 「狐者異(こわい)」は、生前に他人の食べ物まで食べてしまうような者が、死後になってもその執着心を引きずって妖怪となってしまった姿であるという。 死してもなお、人ではない姿になってもなお、食べ物を求め続ける浅ましさ。...


机上の鬼 文車妖妃(ふぐるまようひ)
夜な夜な積もるあなたへの想い文、 その熱は燃え上がりこの身を焦がし、いつしか私は、あなたの元へ黒煙となり届くだろう。。 文車とは、貴族の邸宅にあった荷物を載せる屋根付きの車のようなもので、火事などの非常事態に備えて家に置いていた、 つまりはちょっと立派な手押車である。...